皆さんは、山に登るとき、どれくらいの量の水を持って行きますか?
僕は、行動中に飲むペットボトルを2本(合計1000ml)と、調理・予備用の水を1000mlで、合計2000mlの水分を持って行きます。
でも実際には、出発前には足りないかなと思っても、下山してみるとずいぶん余っていることが多いです。余ることが確実な時は、山頂で水を捨てることもしばしば…。
持って行けるなら、いくらでも持って行きたいところですが、重たい思いをするのも嫌だなぁと思うわけです。
最低限の量を知っておけば、脱水症状や熱中症なることもなく、無駄に多く持って行くこともありません。そこで、持って行くべき水分の最低量を考えてみました。
登山に必要な水分の目安は「体重×行動時間×5ml」

雪渓が残るほど涼しくても大汗をかくんです。
登山中にかく汗の量は、以下の式で表すことができます。
仮に体重50kgの方が、6時間行動すると…。
50(kg)×6(時間)×5(ml)×=1500ml
6時間で1500mlの汗(水分)を失うことになります。失った分を補給すればよいので、そのまま500mlペットボトル3本分を持って行けば大丈夫そうです。
「…あれ?こんなに必要なの」と思いましたが、僕が知りたいのは最低量です。
人間は2%の水分を失うと、脳と運動機能が低下する
さて、体から水分が失われると、どうなるでしょうか?
「体重の2%に相当する水分を失うと、脳の機能と運動機能が低下する」と言われています。
また、体重の2%を超えて水分を失うと体温の上昇につながります。
その先は、脱水症状からの熱中症や、脳梗塞・心筋梗塞のおそれがありますが、割愛します。
ここで言いたいことは、水分の喪失を2%以内に抑えることができれば、パフォーマンスを維持できそうである、ということです。
体重の2%の水分量を体重50kgの方で計算してみましょう。
50kg×0.02=1(ℓ) ※単位は(ℓ)です
ということで、体重が50kgの方は、1000ml以上の水分を失うと、脳の機能と運動機能が低下し、体温が上昇してしまう、ということになります。
最低限必要な水分量
つまり、50kgの体重の方が6時間行動するとして、最低限度持って行くべき水分量は、
1500ml(発汗量)ー1000ml(2%の水分量)=500ml
ペットボトル1本分でした。
僕の場合
僕の体重は、四捨五入すると80kgです。
発汗量:80(kg)×6(時間)×5(ml)=2400(ml)
体重の2%の水分:80(kg)×0.02=1.6(ℓ)=1600(ml)
最低限必要な水分量:2400(ml)-1600(ml)=800(ml)
というわけで、僕の場合は、800mlあればギリギリなんとかなりそうです。
でも実際は…

登山道から離れた水場もあったりして
実際は、気温が高かったり運動量が高すぎて発汗量が多くなってしまったり、道に迷って行動時間が伸びてしまったり、水をうっかり谷底に落としてしまうとか…様々なトラブルが想定できます。
たとえルート上に水場や山小屋があるとしても、水場が枯れていることもありますし、山小屋が営業していないこともあります。
そんなことを考えると、ギリギリのラインで水分を切り詰めるなんてことができるはずもなく…。
これからも、必ず2000mlは持って行こうと思ったのでした。