レインウェアの洗濯方法~一般の洗濯洗剤で洗えます

登山用のレインウェアを買ったら悩むこと。それは洗濯方法。
登山用のレインウェアは高価なので、洗濯して駄目にしてしまったらどうしようって思いますよね。

レインウェアは、どうやって洗濯するのか?洗濯の頻度は?洗濯しないとどうなるの?

そんな疑問を解決します。

レインウェアの機能低下

登山用のレインウェア(以下レインウェア)は、お手入れせずに使い続けていると性能が落ちてきます。具体的には、ウェアの表生地に水が浸透してしまう、ウェア内部が濡れてしまう、といったことが起きてしまいます。

レインウェアの構造

登山用レインウェア(以下レインウェア)は、防水透湿性能という機能を持っています。
外からの水(雨)を防ぎ、ウェア内部の湿気(水蒸気)は外へ逃がすというものです。

多くのレインウェアはゴアテックスといった防水透湿素材を使用しています。ゴアテックスのような防水透湿素材は、そのまま使用するには耐久性や着心地が悪いです。
そこで、ナイロンなどの生地で防水透湿素材をサンドイッチのように挟むことで、耐久性と着心地を高めています。

そして、表生地は防水透湿素材を守る以外に重要な機能があります。
それが撥水(水を弾く)性能です。

レインウェアは表生地で水を弾き、水を弾けず表生地に浸透した水は防水透湿素材によってウェア内部への侵入をガードしています。
レインウェアは、防水透湿性能と撥水性能の二段構えで、ウェア内部に水が浸入するのを防いでいるのです。

レインウェアの機能低下は、透湿性能の低下で起こる

レインウェアの表生地表面には、目に見えない細かい毛のような突起(撥水基)がビッシリ整列していて、水を弾くようになっています。
この撥水基は、汚れなどが付くと、水を弾く力が落ちます。また、摩れたり擦ったりの摩擦で撥水基が倒れてしまうと、撥水基が倒れた部分から水が生地に浸透してしまいます。

レインウェアを買ったばかりの時は、雨をコロコロ弾いていたのに、使っているうちに、雨を弾かなくなってしまい、表生地に水が染みてしまうのはこのためです。

水が生地に浸透せず、玉のようになるのが撥水性能が生きている証拠。

表生地に染みてしまった水は、防水透湿素材を通り抜けて身体を濡らすことはありません。
しかし、ここで困ったことが起こります。表生地に染みた水が、防水透湿素材の外側を覆ってしまい、蓋をするような形になってしまうのです。
そうすると、ウェア内部の水蒸気が外に出られなくなり、逃げ場の無くなった水蒸気が、レインウェア内部で結露してしまいます。

さて、レインウェアの裏生地ですが、単純に汗や皮脂などの汚れによって、生地に目詰まりが発生し、水蒸気が外に抜けられなくなり、レインウェア内部を濡らしてしまいます。

このように、レインウェアの機能低下は、ウェア内部の水蒸気が外に逃げられなくなることで発生します。

レインウェアの洗濯頻度

レインウェアの機能低下を防ぐには、「レインウェアの汚れを落とす=洗濯」ということが第一となります。

まず、雨の中使用した場合は、毎回必ず洗濯しましょう。
雨粒の中には、いろんな汚れが溶けていて、レインウェアの表面に残ると、撥水基の性能を落とします(→水が浸透してしまう)。

レインウェアは雨が降っていなくても、防寒や防風目的で着ることがあると思います。
汗をかいたり、砂ぼこりの中を歩いたりした場合も洗濯したほうが良いでしょう。

洗濯によって、撥水性能や防水透湿性能が失われることはありません。それよりも、汚れによる機能低下の方が深刻です。小まめに洗濯して大丈夫です!

レインウェアを洗濯しよう!

前置きが長くなってしまいましたが、レインウェアを洗濯していきます。

レインウェアについているタグを必ず確認

だいたいのレインウェアは扱いが似たようなものだと思っていますが、タグは必ず確認しておきましょう。していいこと、してはいけないことを把握します。
僕が持っているモンベルのレインウェアですと(上の写真)…
塩素系漂白剤は使用不可、アイロンは低温であて布使用、絞り禁止、日陰で吊り干し…などが注意点のようですね。

平成28年12月1日から、洗濯表示が新しくなっているようですね。旧表示の方がわかりやすいような気がします…。

洗濯表示(平成28年11月30日まで)-消費者庁

洗濯表示(平成 28年12月1日以降)-消費者庁

中性洗剤を使用し、柔軟剤や漂白剤は使わない

レインウェア専用の洗濯洗剤もありますが、一般の洗濯洗剤でも洗えます。
その際は、液体の中性洗剤を使用します。

我が家は「スーパーナノックス」を使用していましたが、「アタックZEROドラム式専用」に鞍替えしました。
我が家が、ドラム式洗濯機を使用していることに加え、洗剤残りが非常に少ないと謳っているいうことで選びました。
洗剤残りは撥水性能の低下の原因になるので、重要なポイントだと思います。
もちろん、漂白剤・柔軟剤・蛍光増白剤も不使用なので安心です。

ファスナーを閉めて、洗濯ネットに入れる

すべてのファスナーを閉めて、洗濯ネットに畳んでいれます。ポケットのファスナーも忘れずにしめておきましょう。ベルクロも閉めておきます。

コースはデリケート洗いで

デリケート洗いのコースで洗濯します。
防水透湿素材や、表生地の撥水基に対して、洗濯のダメージを与えないようにやさしく洗います。

すすぎは2倍で脱水しない

すすぎは最大。脱水は0に。

洗剤が生地に残ると、撥水性能の低下の原因となります。
すすぎは通常の2倍、しっかりすすぎます。
アタックZEROなら洗剤残りが少ないので安心です。

防水透湿素材を痛めるので、脱水はしません。
また、水を通さないレインウェアを脱水すると、洗濯機に負荷がかかって故障することもあります。洗濯機によってはものすごい音と振動が発生することも…。
忘れずに脱水を0にしておきましょう。

乾燥機にかける

小まめに洗濯しても撥水性能は落ちてきます。
これはレインウェア表面の撥水基が摩擦などで倒れてしまうから。使い込んだレインウェアの肩の部分に水が染みてしまうのは、ショルダーハーネスとの摩擦が原因かもしれません。

撥水基は熱を加えることで元通りに整列する性質があるので、温風乾燥機がご家庭にあれば、乾燥機を使用することで、元どおりの撥水性能を取り戻すことができます。

熱を加えればよいので、乾燥機がない場合は、アイロンでも構いません。
あて布をして、低温でゆっくりアイロンをかけることで、撥水基が立ち上がり、撥水性能が復活します。

風通しの良い場所で陰干しする

我が家は風呂場で。送風して乾かしています。

乾燥機にかけない場合、風通しの良い場所で陰干しをします。

保管は吊り下げで

収納袋に入れたまま保管すると、レインウェアの折り目の部分にダメージを与えてしまいます。
乾燥が終わったら、そのままクローゼットにイン。本当は風通しの良い場所が理想なんですけどね。風通しの良いクローゼットなんて無いわけで。

まとめ

やってみると意外と簡単なレインウェアの洗濯ですが、乾燥機が家にあると便利ですね。
乾燥機が無くて、アイロンが面倒だという方は、コインランドリーを利用するのも手です。
撥水性能が落ちてきたな~と感じたら是非利用してみてください。

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