【買ってはいけない】ワークマンの本格登山ザック「INAREM GEAR シェルパック50/80」

AERO STRETCHクライミングパンツを購入して以来、ワークマンにハマったわたし。
以来、ワークマンで、登山に使えそうなものを沢山買ってきました。
全身ワークマンで登山もしてみました。

ただ、ザックと靴だけはどうにもなりませんでした。
靴はともかく、ザックは実用に耐えるものが無く、半ばあきらめていたのです。

そこへ、ワークマン、【7800円】【6800円】本格登山リュックを発売のニュースが!

公式インスタグラムはちょっと日本語が怪しい気もするけど

やっすい!見た目もおしゃれ!
これはもう買うしかないでしょう!
見せてもらおうか、ワークマンのリュックの性能とやらを!

といったノリで買ってきましたよ。
50ℓと80ℓの両方を!

結論:ワークマンの本格登山リュックは買うな

いきなり結論。

地雷です

サイドコンプレッションストラップを引っ張ったら
根元が千切れました

アーーーーーッ!!!

「多少の使いづらさはあっても、まあ使えないことはないよ!」といった結論を予想していたのにこの結末。どうしてくれるんだ。

50ℓタイプで6800円。80ℓタイプで7800円なので、ある程度のチープさは覚悟していました。だけど、引っ張っただけで千切れるようなら、それはダメでしょう。
初めてだよ千切れたの。

反対側も引っ張ってみましたが、テンションが一か所(上側)に集中するようで、おそらく強いテンションを掛けると、縫製が千切れると思います。

INAREM GEAR シェルパックのダメなところ

そんなわけで、「ワークマンの本格登山リュックで登山してみよう!」とは微塵も思わなくなってしまいました。どうしようコレ…。

yunaさんは無慈悲

せっかくなので、ワークマンの登山リュックのダメなところを列挙するよ!

背面長がおかしい

ワークマンのリュックのタグに表記されている背面長が32~38センチ。

グレゴリーのXSサイズで背面長が36~41センチ。
モンベルの女性用ザックの背面長は40センチ台が多いです。
ということは、ワークマンのリュックの背面長だと「小柄な女性向け」よりさらに小さいということになるんでしょうか。
これ以外のサイズ展開はありません。
試しに僕が背負うと、ウエストベルトがお腹の上に来てしまいます。

ただ、ショルダーハーネスを調整したら、まったく背負えないというレベルではありませんでした。おかしいな…。
一応念のため、他のザックと背面長を比較してみましょう。

一番右側はyunaさんがいつも使っているミレーのサースフェー。
サイズはSサイズです。
ミレーのSサイズだと背面長は43cmです。

真ん中が、我らがワークマンのINAREM GEAR シェルパック50。
背面パッドを一番上に寄せてみました。
あれれ?サースフェーより長くない?
一応測ってみると、45cmでした。んんんん~?!

左のザックは僕がいつも使っているグレゴリーのズール45。
購入したサイズがわからないのですが、同じように測ってみると50cm(M~Lサイズ)でした。

ワークマンさん…。なんかスペックと違う数値っぽいですけど…。

各所のストラップの幅が全部同じ(全部太い)

サイドコンプレッションストラップもそうですし、ショルダースタビライザーストラップにスリーピングバックストラップなど、ほとんどすべてのストラップ類が同じ幅。しかも太め。
ストラップが太いということは、摩擦も増えるので絞るのに力が必要になります。
女性向けじゃねーぞこれ。

サイドコンプレッションストラップの根元が千切れたのも、無駄に太くて摩擦が大きいから、より強い力で引っ張ったために千切れたのかも。

ヒップベルトが締められない

ウエストベルトはさらに極太。
そして、バックルを留めた後にウエストベルトの長さ調整はできません。とてもじゃないけど僕の腕力では引っ張れない…。
結局長さを調整してからバックルを留めることに。
それにこの幅だと握りにくいんだよね…。

バックル横から左右に引っ張るタイプは確かにやり辛いのですが、ワークマンの場合は、締められない、です。

背中とザックに一体感が生まれない

背面パットは、アルミフレームにリングで接続されており、アルミフレームはザックに固定されています。
ただし、それぞれはガッチリ固定されているわけではなく、割と遊びがあったりします。
そのせいで、びっくりするくらいザックが動きます。
良いザックは、ザックと背中が一体化すると言いますが、ワークマンのザックはまるでバラバラなのでした。
体を左右に振ると、ワンテンポ遅れてザックが付いてくる感じです。

さらに、アルミフレームが縦方向にしか入っていないので、横方向の剛性がありません。

さらにさらに!
背面パッドは、アルミフレームにリングで接続されていて、フレームにそって上下に動かすことができます。
しかし、位置の固定はできません。ちょっと信じられない。できるのは、背面パッドが上に行き過ぎないようにストラップを締めるくらいです。

そりゃ背中でザックが暴れますわ。

危ないし疲れる。長時間の山行でこれは無理。
20㎏の荷物をいれた80ℓのザックは恐怖でしかないでしょう…。

ワークマンの後で、いつも使っているグレゴリーのザックを背負ってみました。

うわー!背中に吸い付く!ド安定!

いつもそんなことを感じたことはなかったのですが(それが当たり前だったから)、本当にびっくりしました。これがザックメーカーのザック…。すごい…。

完全2気室である

本格登山リュック初参戦で2気室を採用してくるとは。
2気室のザックは大抵、2気室と1気室を切り替えることができるものが多いと思うのですが、INAREM GEAR シェルパックは完全2気室制。

ウソだろ…。使いづれぇ…。

そしてボトム部分の開口部はなぜかロールタイプ(正式名称はなんて言うんですかコレ)。なんでや。
ファスナー閉めて、くるっと巻いて、両サイドのバックルを留める。めんどくさ…。

耐荷重が低い

50ℓタイプで10kg、80ℓタイプで20kg…。少なすぎではないですかね。
30~40ℓで10kgなら、まぁわかります。

50ℓだとテント泊が視野に入ってくるサイズだと思います。
テント泊装備なら確実に10kgは越えるので、耐荷重10kgは低すぎるのです。

仕方ないので、小屋泊想定でパッキングしてみましたが、食料や水分を入れる前で、ザック込みの重量が9.5kgになりました。
小屋泊想定でもギリギリじゃないですか。カメラやストックなども持っていくことを考えるとしんどい。

僕が普段使っているグレゴリーのズール45の最新モデルは、最大積載量が18.1kgなので、ワークマンリュックはかなり貧弱かなと思います。

防水透湿素材を使う意味がない

ザックの生地に、防水透湿素材のイナレムを使用していますが、その意味とは?
防水はわかります。透湿とは?ザック内部の湿気を逃がすのか?ザックの中でお湯でも沸かしているのか?イミガワカラナイ…。
ただの防水で良かったんでは。

さらに、ザック自体が防水にも関わらず、ザックカバーを付けるという謎仕様。
さらにザックカバーもイナレムを使っています。
ザックカバーをつけるなら、ザックに防水性は不要じゃないかなーと思います。だったら、もう少しザックの重量を減らせたんではないでしょうか。

どこに売っているかわからない

インスタで発売が告知されただけで、公式サイトに一切の情報が無く、販売している店舗もわからず困惑しました。売る気あるんかーい!

一応、機能を紹介します

トップローディング

ここはスタンダードな、雨蓋付のリュックですね。
メインコンパートメントは二重の巾着状開口部。

雨蓋の背中側にはファスナーポケット。

ポケット類

背面ポケット
サイドファスナーポケット

サイドファスナーポケットはサイドコンプレッションストラップが邪魔で少々使い辛そうです。

サイドポケット

サイドポケットはペットボトルが一本しか入らない、余裕のないつくり。
ストック2本差しはできなくはないけど、入れづらいと思います。

ボトムコンパートメント

なぜか開口部はロール+ファスナー。さらに両サイドをバックルで留めるという、アクセスが極悪なタイプ(笑)

ガバっと広がるのは良いんですけどね。

ボトムコンパートメントにテントを入れるのは無理でした。
袋から出して詰め込めば行けるかも?

背面パネル

背中に接するのは左右の背面パッドのみ。
背面パッドはアルミのフレームにリングで接続していて、フレームに沿って上下に背面パッドを動かすことで背面長を調整するようです。
アルミフレームはザックに固定されています。
アルミフレームは横方向には入っていないため、横の剛性はありません。

それぞれのパーツがガタついて、背中に一体感がないので、荷物が上下左右に振られます。
ちゃんとしたザックなら、背中とザックの動きが一体になるのですが、ワークマンのリュックは背中の動きとリュックの動きがワンテンポ違うので、かなり疲れそうです。

僕の考えた最強のザック

初めての本格大型登山リュックを作るにあたって、いろいろと機能を盛り込みたいのはわかります。でも、初めてなら、もっとシンプルなリュックで縫製をしっかりした方が良かったんでは。

なんだか、開発のストーリーが見えないというか。
何を思って作ったんだろう。
誰に向けて作ったんだろう?
どういうシーンを想像していたのかな?
会議で出てきたアイデアを取捨選択せず、全部ぶっこんだ、「ぼくのかんがえたさいきょうのリュック」といった印象です。

たぶん作った人は山でテント泊したことないんじゃないかな。
これは登山では使えません。

6800~7800円のリュックに何を言っているんだろうという気もしますが、この値段で機能モリモリ(使える使えないは別として)のザックが作れるんだから、もっとやりようがあるんじゃないかなあーと思うのです。

それと、今更なのですが、リュックという言葉は正しいのですが、登山界隈ではバックパックとかザックという呼び方の方が主流だと思ったり思わなかったり。

というわけで、次も買うからがんばれワークマン!



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