【富士登山】富士山に登る前に準備すること

多くの日本人にとって、富士山は特別な山だと思います。誰だって、富士山の頂に立ちたいと思うのではないでしょうか。

そんな、誰にとっても特別な山である富士山に登る前に、富士山の基本情報や、準備などについて、つらつらと書いていきますよ。

富士山は誰でも登れる山か?

頑張れば、誰でも登頂できます!

というのは嘘ではありません。嘘ではないんですが、そう簡単でもありません。

富士山は、登ってみるとそんなに大変じゃなかったと言う声を、聞いたことがありませんか?
ある程度の体力があれば、誰でも登れるよ、と。

登れた人の声の方が大きいので、なんだか割と簡単に登れそうな気がしてきます。実際、軽く登ってしまう人もいます。
しかし、富士山は、技術的に難しいところはありませんが、自然環境が厳しめな山です。

僕はこれまでに、たくさんの山に登ってきました。
どんな山でも、疲れた顔で休んでいる人を見かけます。
富士山は少し違います。「もう…死ぬ…」っていう顔をしている人が、結構混じってます。泣いている人もいるんですよ。

富士山に潜む危険

日本一の高さを誇る富士山は、最も高山病になりやすい山と言えるでしょう。
山頂は下界の2/3しか空気がありませんし、下界よりも気温が20℃以上低いです。
5合目以降は、ほぼ岩稜帯です。身を隠す場所がないため、雨・風・直射日光をモロに受けることになります。

高山病

死にそうな顔をしている人は、大抵これです。

高山病とは、高地で酸素が不足することによって起こる症状の総称です。
いままで高山病なんかになったことがない人でも、富士山の高度ならなり得ます。

症状は、頭痛・吐き気・眠気…等。重症化すると、死に至ることもある病気です。
登っているうちに緩解するということは、ほぼありません。

また、高山病による頭痛に頭痛薬はあまり効果がありません。吐き気止めも市販薬にはありません。

高山病になったら、下山しか選択肢はありません。

気温

下界が30℃なら、富士山の山頂の気温は、10℃以下になります。さらに日が落ちると、もっと気温が下がります。
下界が真夏でも、富士山頂は真冬です。
防寒着の準備もせず、軽装で登る人がいますが、下手すりゃ低体温症で死にますよ。

雨、風

森林限界を越えると、ほぼ岩稜帯です。
雨が降っても風が吹いても雷が鳴っても、隠れる場所がありません。
夏でも、体を濡らすと、低体温症になることがあります。対策はしっかりしていきましょう。

直射日光

下界の1.3倍とも言われる紫外線量。
容赦なく肌が焼かれます。たんなる日焼けとあなどることなかれ。日焼けは火傷です。遠赤外線でこんがり焼かれているのです。

富士山のルート

富士山には頂上に向かって、4つのルートがありますよ。

吉田ルート

もっともメジャーなルート。登山道と下山道が分かれていて、登りやすく下りやすいです。
人も多く、山小屋も多いので、安心して登れます。危険個所も、ぼぼありません。

メジャールートのため、山頂前の登山道が混雑で大変なことに。

須走ルート

高い位置まで樹林帯に覆われているので、なるべく日差しを避けたい方はこちら。
本八合目から吉田ルートと合流します。

御殿場ルート

大砂走りも、傾斜が無くなると唯の砂歩き。苦行。

大砂走りの滑るような下山が楽しいルートです。
登山靴にゲイターは必須。スニーカーのみでここを歩くと、靴の中に小石が入りまくり、足がズタボロになるので注意。
山小屋が少ないので、何かあった時のエスケープが取りづらいです。
砂に足を取られて歩きにくいので、登りは避けたほうが無難です。

富士宮ルート

最も標高の高い位置からスタート。山頂までの距離が一番短いので、吉田ルートに次ぐ人気。

富士山に登る時期

山開きは、7月1日から7月10日 ルートによって違います。
閉山は、どのルートでも9月10日です。

全期間通して、平日登山推奨。
夏休み中の土日、お盆の時期の混雑具合たるや。登山道が、ディズニーのアトラクション並みに混雑します。

開山期間以外の登山は、やめておきましょう。ほとんどの山小屋は固く閉じられているので、買い物や避難ができなくなります。樹林帯以降は雨宿りする場所や隠れる場所がなく、自然の驚異をモロに受け続けます。雨が降っても雨宿り不可。雷が鳴っても隠れるところがありません。

7月前半は梅雨の影響で、向いていません。いくら夏でも、雨の日はとんでもなく寒いので注意。

梅雨明け後7月20日前後から登山最適期ですが、学校が夏休みに入るので、家族連れで混雑します。

9月1日~9月10日 小・中・高校は夏休みが終わり、家族連れも減る時期。狙い目です。

富士山登山の基本プラン

1日で登頂と下山を済ませる弾丸登山はNGです。
たまに、普段から登山をしない方でも1日で登って降りてきた自慢をする方がいますが、無事に降りてこられたのは運が良かったからと思いましょう。無謀です。

最低でも1泊2日は必要です。1泊2日でも初日は移動と睡眠不足で万全でないです。できれば五合目で前泊して、2泊3日とすると、睡眠もしっかりとれる上に高度順応できて安心です。

ご来光を見るために、初日で高度を稼いでおきたい気持ちはあると思いますが、程々にしておきましょう。
睡眠中は呼吸が浅くなるため、酸素の薄い高所で宿泊すると、酸素不足で高山病になる恐れがあります。
7合目、8合目あたりで宿泊し、早寝で早朝出発が良いです。

富士山登山の装備

レインウェア

超必須。
夏だし、暑いから、多少濡れたって平気だと思うかもしれません。
しかし富士山の山頂は10℃以下の世界。雨に濡れて風が吹けば、体温を奪われて、あっというまに低体温症で動けなくなります。

ビニールの雨合羽は、風にあおられて浸水しますし、汗で蒸れるのでやめましょう。
登山用の、上下セパレートタイプのレインウェアが必須です。

ゴミ袋をかぶってる人いますが、まったく意味がありません。

考えてみると、普通の人は、長時間雨に打たれっぱなしの経験なんてないですよね。
雨に長時間打たれることが、どういうことなのか想像できないのかもしれません。僕も登山をはじめる前はピンと来てませんでしたし。

山の天気は変わりやすく、登る前は晴れていても、登っている途中で雨になるのはよくあることです。登山中に体を濡らすと、命に関わることもあります。レインウエアは必ず持っていきましょう。今

登山靴

ハイカットで、靴底の硬いもの。

サンダルやスニーカーは、靴底に穴が開くことも。ゴツゴツした岩場も多いので、柔らかい靴は捻挫の原因ですよ。

日焼け止め

富士山登山中は、平地の1.3倍とも言われる紫外線を、数時間浴び続けることになります。何も対策をしないと、「コンガリ焼けました~」どころか、火傷してしまいます。

何よりも、日焼けは体力の消耗にもつながるので、しっかり対策したほうが良いです。
首の後ろ、耳などは塗り忘れることが多いので注意しましょう。

サングラス

目も日焼けします。いわゆる雪目というやつです。
強い紫外線に長時間さらされると、角膜の表面が傷つきます。
症状が出てくるのが、だいたい翌日です。結膜の充血、目の異物感、涙、痛みなどが出てきます。
ご来光を万全の態勢で迎えるため、目の日焼け対策もしっかりとしておきましょう。

UVカットのサングラスを選びましょうね。
安いサングラスは、色がついているだけで、UVカット機能が無いものがあります。よく確認してから購入してください。

ストック

足への負担がかなり違います。長時間のだらだらした下り道や、段差を降りるときに、威力を発揮しますよ。ストックについては以下の記事をご覧ください。

ちょっとした登山でも、足腰の疲労はかなりのもの。そんな疲労を軽減する登山道具に、ストック(トレッキングポール)と、トレッキングタイツがあります。 特にストックは、正しく使用す

ヘッドライト

日が昇る前は真っ暗闇です。ヘッドライトがないと、危険です。

水分

滝のように流れる汗。常に補給しないと熱中症になります。
富士山は水がとても貴重なので、無料で給水はできません。
吉田ルートで登れば、山小屋が多いので購入することが可能ですが、非常に高価です。
水分補給用に、2リットルは持って行ったほうが良いです。

富士登山の予行演習

富士山に登る前に予行演習をしておきましょう。

おすすめは塔ノ岳です。

塔ノ岳は、登山口から山頂までの高さが、富士山の五合目から山頂への高さと似ています。大倉尾根のダラダラ具合が富士山登山の予行演習にぴったりです。
もちろん、山の高さが違うので、塔ノ岳に登れたら富士山に登れるという保証はありませんが、感覚はつかめると思います。

塔ノ岳で、きついと感じたら、まだ富士山に登れるレベルじゃないです。
しばらく体力づくりに努めましょう。