【登山計画の立て方】山とコースとアクセスと

登山をはじめたての頃は、難易度の低い山や、コースタイムの短い山へ登りますよね。こういう時は、行程に多少のミスがあっても、何事もなく下山できることが多いでしょう。
山に慣れてくると、より難易度の高い山や、コースタイムの長大な山へ行くようになります。そうすると、小さなミスがいくつか累積し、トラブルに発展することがあります。

小さなミスの累積
小さなミス ⇒ 問題なし
小さなミス×小さなミス ⇒ トラブル
小さなミス×小さなミス×小さなミス ⇒ 大トラブル

焦りを生む準備不足

山でラーメンを食べるのに箸を忘れてしまったことがあります。コンビニのバイト君が箸を入れ忘れたことを呪いつつ(考えてみると、袋ラーメンだったから箸が付かないのか)、砕いて食べるか、その辺に落ちてる木の枝を箸にするか、逡巡することに。ちゃんと持ち物リストを確認していれば…と、後悔したのでした。
登山はものすごくエネルギーを消費します。ロングコースで食事が摂れない場合、ハンガーノック(ガス欠状態)による行動不能になって下山できなくなる可能性もあります。

友人と妙義山に行った時のことですが、なんと友人は登山靴を忘れてきました(笑)。彼女はスニーカーですらなく、街用の靴を履いてきたのでした。その時は仕方なく、笑いながら登ったのですが、妙義山は岩登りの多い山です。上り下りに苦労していましたし、いつ捻挫してもおかしくない状況でした。

日没→道迷いで滑落遭難しかけたこともあります。
日没ギリギリになっても、山小屋に辿り着けず、焦っていた時でした。それまで普通の登山道を歩いていたのに、いつの間にかザレガレ場に出ていました。何かおかしいと思わないといけないのですが、焦っていたため、しばらく進んでしまいました。
歩を進めるごとに道が崩壊しだしてきて初めて、「迷ったら戻る」という原則に則り、元来た道を戻って事なきを得たのでした。
事前にマップを確認していれば、崩壊するような登山道がないことはわかりますし、そもそも、コースタイムの計算が雑で時間に余裕がありませんでした。

一つ一つのミスは大したことがなくても、ミスがミスを呼び、累積していくと、大きなトラブルに発展することがあると実感したのでした。

無計画な登山は、時間に追われ、焦りを生み、想定外のトラブルに見舞われがちになります。それは楽しくないだけでなく、ケガや道迷いの元になったりします。
「はじめ良ければ終わり良し」という言葉は登山にぴったりの言葉です。登山計画の良し悪しが、登山の成功を左右します。そして、良い登山計画は、綿密なシミュレーションによって作られます。

登山計画

前置きが長くなりました。
シミュレーションしながら登山計画を立てていきます。

どの山に登るか

雑誌や書籍・ネットなどで情報を収集し、目指す山を決めましょう。
登る時期・一緒に登るメンバーなどもこの時に考えておきます。

どのコースで登るか

登山口と山頂を往復する「ピストン」は、単純ですが、道に迷いにくいです。
登山口と下山口は同じだけど、往復で道を変える「ループ」。行きも帰りも別の道なので、飽きの来ないルートになります。
複数のピークをつないで歩く「縦走」は、正に山旅。山の醍醐味を味わえますが、登山口と下山口が別なので、マイカーでは難しいです。

いずれにしろ、自分の経験と体力と相談してコースを決めてください。

次の項目の、「山で何をしたいか」を考えてからコースを決めるのもアリです。

山で何をしたいか

もちろん、最初はシンプルに「登頂して展望を楽しむ」だけでも構いません。
登山を続けているうちに、登るだけではなく、自分だけの目的が自然と出来てきます。

登山の目的

展望 / 写真 / 百名山ピークハント / 山ごはん / 温泉 / ビール / 花 / 星空

…等々

僕の場合は、写真撮影と、山ごはんを作って食べるという目的があります。

目的を考えておくことが重要なのです。
「コースタイム+休憩時間」に加えて、「目的に使用する時間」を追加して、行動時間を計算するためです。

行動時間の計算

コースタイム
+
小休憩(1時間当たり10分)
+
大休憩(60分)
+
山でやりたいこと(+α)
+
予備時間(+α)

行動時間が計算できたら、登山の開始時間と下山時間を決めます。
登山には「15時までに下山する」という鉄則があります。下山を15時として、そこから行動時間を逆算して登山開始の時間を決めておきます。

以下は僕が実際に設定した行動時間です。

ある日の僕の場合

浄土平~一切経山~鎌沼一周ルート
コースタイム:3時間
小休憩:30分
大休憩:60分
写真撮影:15分
予備時間:30分

合計:5時間15分

コースタイムは3時間と、お手軽登山の部類に入ります。
僕は写真撮影と、山頂での山ごはんが目的です。写真撮影に15分ほど組んでいます。
山ごはんは、山頂での大休憩中に作ります。一切経山は山頂からの眺めが絶景で、滞在時間が伸びそうなので、予備時間を多めに30分組み入れました。
これで合計5時間15分となりました。

15時を下山時刻とすると、遅くとも9時45分に登り始めればよい計算になります。
実際はもっと早く登り始めますけどね。

登山口までのアクセス

登山開始の時間が決まりましたので、登山口へのアクセスを考えます。
マイカーで行くか、公共交通機関を利用するかです。

マイカー

マイカーのメリットは、何と言っても、時間に自由が利くというところ。
早朝に登りはじめたければ、マイカーで早めに家を出ればいいのです。
乗り合いで行けば、一人当たりのガソリン代や高速道路の料金も安くなるのもうれしいところです。
デメリットは、運転者の負担が大きいことです。登山の前後は、疲れや眠気もあり、神経をすり減らします。

公共交通機関

公共交通機関のメリットは、安全に移動ができて、時間が正確ということです。疲れていても眠くても、乗ることさえできれば目的地に連れて行ってもらえるのです。夜行バスを使えば寝ながら目的地まで運んでもらえます。長距離運転で神経をすり減らすこともありませんし、万全の態勢で登山を開始できます。
デメリットは、メジャーではない登山口へはたどり着けなかったり、著しく不便(1時間にバスが1本しかないなど)なところです。また、通勤ラッシュや帰宅ラッシュに巻き込まれると、周囲のサラリーマンからの視線がとても痛いです。運行時間の関係で、登山口への到着が遅くなることもあります。