登山の快適性を左右する、最も基本的なウェア、それがベースレイヤー(アンダーウェア)です。ベースレイヤーは、ウェア類の中で、最も重要であると言っても過言ではありません。購入時はよく吟味しましょう。
目次
ベースレイヤーとは
レイヤリング
登山中のウェアの役割は、大きく分けると以下のようになります。
- 汗を吸収・発散
- 保温
- 外気(冷気)のシャットアウト
- 雨・風から守る
たった一枚のウェアで役割全てを網羅することはできません。そのために、様々な機能を持ったウェアをレイヤリング(重ね着)することで対応するのです。
ベースレイヤーの役割
その中で、ベースレイヤーは一番下に着るもので、登山中にかいた汗を肌から吸い取って発散する機能を持ちます。これによって、体をドライに保ち、冷えを防ぐことができるのです。「ベース」レイヤーというだけあって、レイヤリングの基礎となります。
ベースレイヤーの素材
化学繊維
主なものに、ポリエステルがあります。汗を吸収しやすく、発散しやすいのが特徴です。様々な機能をもたせたベースレイヤーが各社から発売されています。価格もこなれており、買いやすいのも利点です。
メリノウール
ウールの一種ですが、メリノ種と呼ばれる羊からとれるウールをメリノウールと呼びます。肌触りがよく、普通のウールにありがちなチクチク感がありません。保温性に優れますが夏でも快適です。数日山で過ごしても臭いにくい、抗菌防臭効果があります。化学繊維に比べると、汗の発散は弱いのですが、濡れていても汗冷えしにくいという特徴があります。価格は高め。1万円以上するのもザラです。買うのはちょっと勇気が必要です。
ハイブリッド
化学繊維とメリノウールの混紡。ウェアによって混紡率が違うので、性能も様々。良く言えばイイトコどり。悪く言えば中途半端。使うシーンを選べば活躍するでしょう。
綿はNG
綿の肌着は、汗をかいていないときは快適ですが、一度汗をかくと乾きにくいという弱点があります。大汗をかいたら、乾きにくい綿では体が冷えるのみです。まったく登山向きではありません。絶対にやめましょう。
ベースレイヤーの選び方
夏場
夏場の汗を大量にかく登山では、化学繊維に分があります。化学繊維の吸水力・速乾力は、そのまま夏山登山の快適性につながります。
冬場
一方、冬場ではメリノウールに軍配があがります。メリノウールの保温力は寒い時期には非常に頼もしいものです。また、外気は寒いのに、汗を大量にかく冬山登山では、メリノウールが持つ、汗で濡れてしまっても体が冷えにくいという利点が際立ちます。
ベースレイヤーのさらに下に着るドライレイヤー
どんなに性能の良いベースレイヤーでも、汗をかく量が多いと対応しきれずに汗冷えがおこります。そこで、撥水加工を施したウェアをベースレイヤーの下に着足すことで、汗を肌から遠ざける、ドライレイヤーというカテゴリも登場しています。これによって劇的に汗冷えが減るのだとか。
僕はまだドライレイヤーを使用したことがないのですが、かなり評判は良いようですね。と、いうわけで、近いうちにドライレイヤーを試す予定です。
登山は、寒くなったり暑くなったり、天候も変わりやすいものです。そんな状況でも「ベース」=「基礎」がしっかりしていれば、快適に過ごすことができます。少々値が張っても、しっかりしたものを選びましょう。